武田薬品は6日、第II相試験中の経口オレキシン2型受容体選択的作動薬「TAK-994」について、安全性上の問題が発覚したことから、患者への投与を中断すると発表した。第II相試験は来年1月30日まで予定していたが、前倒しで終了する。今後、詳細なデータを入手し次第、米国食品医薬品局(FDA)との協議も踏まえ、開発の継続を判断するとしている。
TAK-994は、ナルコレプシータイプ1(NT1)における初の経口オレキシン受容体作動薬。NT1を対象とした第II相試験を実施していたが、今回安全性上の問題が判明したことから、患者への投与中断を決定。第II相試験について、当初予定より3カ月以上前倒しで終了することにした。
安全性上の問題について、「詳細は不明」(同社)としているが、詳細なデータを入手し次第、FDAと協議を行った上で評価を行い、開発を継続するかどうか判断する。
現時点でTAK-994の安全性上の問題についてFDAから何らかのアクションはなく、第III相試験も予定しているという。
TAK-994は、2024年度までに承認取得を目指す開発パイプライン「ウェーブ1」の新規化合物のうち、ニューロサイエンス領域におけるオレキシンフランチャイズの有力な新薬の第1弾と位置づけていたが、安全性データの内容次第では大きな岐路に立たされる可能性がある。