厚生労働省では、医療・介護・障害福祉における感染症対策について、これまで診療報酬上の特例措置で支援してきたが9月末で撤廃し、10月以降は新たに創設する補助金で感染拡大防止対策にかかるかかり増し経費を直接支援することを決めた。病院・有床診療所(医科・歯科)は10万円、無床診療所(医科・歯科)は8万円、薬局・訪問看護事業者・助産所は6万円を上限とする。
医療機関等における新型コロナウイルス感染症患者への診療に対する診療報酬上の特例的な対応をさらに拡充する。調剤では、自宅・宿泊療養者への緊急の訪問による服薬指導に500点、電話等による服薬指導に200点と特例拡充する。自宅・宿泊療養者の服薬状況を医療機関に文書で情報提供する場合、月1回まで特例で30点を算定できたが、算定上限を撤廃する。
また、診療報酬における6歳未満の乳幼児を対象とする小児対策では調剤12点を算定できるとされているが、10月から2022年3月までは調剤6点と規模を縮小して支援を継続する方針。
新型コロナに関連した診療にかかる特例的対応は9月を期限とし、10月以降は「延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域医療の実態を踏まえ、年度前半の措置を単純延長することも含め、必要に応じ、柔軟に検討する」とされていた。
■「国からのエール」‐日薬が高評価
日本薬剤師会は、厚労省が示した薬局における感染防止対策の継続支援とコロナ患者診療の特例評価拡充について、「厳しい財政状況の中、現場で日々の業務に一生懸命取り組んでいる薬剤師ならびにスタッフに向けた国からのエールと受け止めている」との声明を発表した。その上で「新型コロナウイルス感染症への対応において、薬剤師および薬局が地域住民・患者への医薬品供給ならびに医薬品適正使用という任務を全うできるよう、引き続き支援していく」との姿勢を示した。