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アロフィセル、非活動期/軽症の活動期クローン病の複雑痔瘻治療薬として承認-武田薬品

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2021年09月29日 AM10:50

健康成人の脂肪組織から抽出して培養・増殖させた同種異系間葉系幹細胞の懸濁液

武田薬品工業株式会社は9月27日、非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療製品である「(R)注(一般名: 、開発コード:Cx601、以下、)」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。今回の承認は、国内で実施されたDarvadstrocel-3002試験および、海外で実施されたADMIRE-CD試験等の結果に基づくものだ。

クローン病は消化管の慢性炎症性疾患で、国内での疫学的な推定患者数は約7万700人といわれている。また、難病情報センターによると、国内でのクローン病医療受給者証交付件数は約4万4,000件。クローン病患者は複雑痔瘻を発症することが多く、これにより強い痛みや膿瘍感染症、便失禁等を引き起こすことがある。薬物療法や外科的処置の進歩にもかかわらず、現在もなお治療困難な疾患だ。欧州クローン病・潰瘍性大腸炎協会連合(EFCCA)が同社と共同で実施した調査によると、複雑痔瘻を有するクローン病患者は、スポーツや仕事、雇用など、一般的な生活する上で患者のQOLに多くの悪影響を及ぼすと報告している。

アロフィセルは、健康成人の脂肪組織から抽出し、培養・増殖させた同種異系間葉系幹細胞(eASC)の懸濁液で、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な非活動期又は軽症の活動期のクローン病患者における複雑痔瘻の治療製品である。

日本では厚労省が「希少疾病用再生医療等製品」に指定済み

アロフィセルは、2009年に欧州委員会(EC)で希少疾病用薬として指定され、2018年3月に非活動期又は軽症の活動期の成人のクローン病患者において、既存治療薬又は生物学的製剤のいずれかの治療を実施したにもかかわらず効果不十分な複雑痔瘻への治療製品として承認された。米国では、2017年にFDAより希少疾病用薬として指定され、2019年にクローン病成人患者における複雑痔瘻治療製品として再生医療先端治療(RMAT)指定制度の指定を受けた。

日本においては、2019年3月13日付で、厚生労働省より、予定される効能、効果又は性能をクローン病患者における肛門周囲複雑瘻孔として、希少疾病用再生医療等製品に指定された。

用法及び用量は、「通常、成人にはヒト間葉系幹細胞として、1回量120×106個(4バイアル(24mL)全量)を、最大で原発口2つまで、二次口3つまでの瘻孔に対して、掻爬等の処置を行った後に投与する」。同剤は製造完了後、72時間以内に投与される必要があるため、受注生産を行うとしている。

同社の日本開発センター所長の廣田直美氏は、「今回の承認により、従来の治療や生物学的製剤による治療を行っても効果が不十分な患者さんに対し、新たな治療選択肢を提供できる」と述べている。

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