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【厚労省】ゴム栓の可能性が浮上-モデルナワクチン異物混入

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2021年09月01日 AM10:30

厚生労働省は8月29日、米モデルナ製新型コロナウイルスワクチンの一部ロットに異物が混入していた問題で、沖縄県の接種会場で確認された黒色の異物はバイアルのゴム栓の可能性があるとして、「ワクチンの品質に問題はない」との見解を公表した。同製品は既に使用を見合わせた3ロットとは異なるロットとなっている。同会場で確認されたピンク色の異物については、シリンジメーカー等が分析する。

沖縄県では、広域ワクチン接種センターでモデルナ製品を使用しているが、一部バイアルやシリンジについて、使用前の目視確認で黒色やピンク色の異物が発見されたため、28日に同会場での接種を中止した。現時点では、健康上の被害は報告されていない。

異物が発見された製品のロット番号は「3005293」で、既に使用見合わせとなった3ロットとは異なる。このうち、バイアル1本、シリンジ4本の計5本で異物が確認された。

具体的には、27日にワクチンを充填済みのシリンジ内に「黒い点状の異物」が含まれているのを確認。翌28日には、充填済みのシリンジ2本から黒い異物、1本から「ピンク色の異物」、針を刺した後のバイアル1本から黒い異物が発見された。

これら5本については、針を刺す前のバイアル内に異物がないことが確認されており、黒い異物は針を刺す際に付着したゴム栓由来のもの、ピンク色の異物は「ワクチンに由来するものではない」との見方を示した。ゴム栓は滅菌されているため感染性リスクはなく、塞栓等も起こす可能性はないとし、同ロットの接種を差し控える必要はないとした。

国内の製造販売を担う武田薬品も、「ゴム栓の破片が混入した場合でも、同一ロットの他のバイアルの有効性、安全性に問題はない」との認識を示している。

シリンジにワクチンを充填する際は、注射針の先端をバイアルの中心円の内側に垂直に押し込む手順となっている。ただ、バイアルのゴム栓に対して斜めに針を刺すと、ゴム栓が削り取られてしまう場合があるほか、刺しながら回転させることなどでも同様の現象が起こる。品質に問題はないとし、県は30日から同センターでの接種を再開した。

ピンク色の異物については、シリンジメーカーと武田薬品で調査を実施中。

一方、厚労省は28日、使用を見合わせているモデルナ製品3ロットを接種後に30代の男性2人が死亡したことを明らかにした。

38歳の男性は1回目にロット番号3004228、2回目に異物混入は報告されていないが使用を見合わせている「3004734」を接種し、2回目接種後の同18日に死亡。接種との因果関係については、報告医が解剖して死因を調査している。

30歳の男性に関しては、1回目は3003657、2回目に3004734を接種後、25日に死亡が確認された。死因については、情報収集中。

これら死亡事例について、森尾友宏厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会長は、「偶然に生じた可能性もあり、接種との関係は現時点では不明。しかし、情報収集に努めた上で、審議会で慎重に評価する必要がある」との認識を示した。

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