慶應義塾大学病院・看護系職員171人対象、ワクチン接種後の頭痛の頻度・特徴を調査
慶應義塾大学は8月25日、普段から頭痛を有する者では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種後に副反応として頭痛が生じやすいことを明らかにしたと発表した。この研究は、同大医学部内科学(神経)教室の滝沢翼専任講師、関口耕史助教、中原仁教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Cephalalgia」オンライン版に掲載されている。
画像はリリースより
COVID-19ワクチンの副反応の1つとして、頭痛が報告されている。今回の研究では、同院の看護系職員を対象に、健常者、片頭痛を有する者、それ以外の頭痛を有する者の3群に分類し、同院で使用したBNT162b2(Comirnaty(R);BioNTech and Pfizer)ワクチン接種後に生じる頭痛の頻度や特徴について調査。今回、研究への参加に同意を得られ、ワクチンを2回接種し有効な回答が得られた171人について解析した。
ワクチン接種後の頭痛は健常者37.9%、片頭痛69.2%、片頭痛以外の頭痛71.4%
調査の結果、普段から片頭痛、片頭痛以外の慢性頭痛を有する者では、健常者と比較して、ワクチン接種後に頭痛が生じやすいことが明らかになった(健常者37.9%に対し、片頭痛69.2%、片頭痛以外の頭痛71.4%)。
また、2回目の接種時の方が1回目の接種時よりも頭痛が生じやすいこともわかった(1回目20.5%、2回目45.6%)。
全体において、ワクチン接種後に頭痛が発症するまでの時間の中央値は、1回目では10時間後、2回目では12時間後だった。頭痛の持続時間の中央値は、1回目では4.5時間、2回目では8時間だった。
調査対象に若年女性が多いため、この結果をただちに一般人口に当てはめることは難しい
研究グループは、対象者に若年女性が多かったため(女性の割合94%、年齢の中央値31歳)、この結果をただちに一般人口に当てはめることは難しいかもしれないとしている。
一方で、普段から頭痛を有する者は、そうでない者と比較してワクチン接種後に頭痛が生じやすい可能性があるため、接種の際には注意が必要と考えられる、としている。
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・慶應義塾大学 プレスリリース