同指標は、▽研究開発費▽研究開発人材▽高等教育と科学技術人材▽研究開発のアウトプット▽科学技術とイノベーション――の5項目で構成。
2019年の日本の研究開発費総額は18兆円で、対前年比0.2%増で横ばいに推移。ただ、対GDP比率は3.5%で、主要国の中でもトップクラスの高さだった。
研究開発人材については、大学、公的機関の研究者数は主要国で増加傾向が続く一方、日本は横ばいの状況だった。
博士号取得者の7割以上が大学等に所属し、企業は13.5%で、米国の39.9%よりも低かった。取得者数も06年度をピークに減少を続け、男女共に博士課程入学者数の減少傾向が続いているとした。
研究開発のアウトプットの面では、日本の17~19年の自然科学系論文数は6万5742件で07~09年の6万5612件と比べて横ばいだったものの、シェアは2.2%減の4.1%で、国別では4位だった。
被引用数が上位10%に入る論文数は3787件(シェア2.3%)で10位となり、07~09年の5位から下落した。
科学技術とイノベーションでは、医薬品産業が全産業の付加価値に占める割合を記載。過去30年間、各国で0.4%~1%を推移しており、日本は米国、ドイツ、英国、フランスに次ぐ5番目に大きかった。
産学連携の現状にも言及し、19年度の大学における「治験等」の受入額は196億円で、実施件数は3万2000件だった。このうち、大企業からの受入が153億円と多数を占め、他の研究と比べて外資系企業からの受け入れが多い傾向にあると指摘した。
起業については、19年の開業率4.2%、廃業率3.4%と、米国など主要4カ国よりも低い傾向を示しており、開廃業共に近年は低下の傾向を見せている。
企業価値が10億ドル以上の未上場企業を指す「ユニコーン企業」の数は、米国249社、中国136社で他国を大きく引き離し、日本は4社で10位だった。分野別では、情報通信や人工知能(AI)などが多数を占めたが、新型コロナウイルス感染症流行の影響で「保健」も増加した。