政府はこれまでファイザー、英アストラゼネカ、米モデルナの3社から4億1400万回分の供給を受ける契約を締結している。
ファイザーとは1月に1億4400万回分、5月には9月までに約5000万回分の追加供給を受ける契約を結んでおり、2022年初頭には1億2000万回分の追加供給を受けられるよう協議を進めていく。正式契約に至れば同社からのワクチン供給量は3億1400万回分となる見通しだ。
新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種は18日時点で約1億1460万回接種まで進んだ。1回以上接種者は50.9%とようやく半数を超え、2回以上接種者が39.3%となっている。65歳以上の高齢者で見ると、1回以上接種者が88.7%、2回以上接種者が85.1%と8割を超えた。
今後は接種率が低い若い世代の接種加速のほか、2回接種を終えた人についても感染力が従来株よりも強いと言われるインド発のデルタ株など変異株への対応や、ワクチン接種で獲得した免疫を持続させるためのブースター接種を検討する必要性が指摘されている。
田村氏は「様々な可能性を想定して協議を進めないといけない」とし、海外ワクチンメーカーとワクチン確保に向けた交渉を進めていく考えを示した。
米国では、2回接種後8カ月を目安に、9月から3回目のブースター接種を開始する予定である。田村氏はワクチンの追加供給を目指す理由について「3回目のブースター接種を狙い撃ちして協議を進めているわけではない」と述べた。
その上で、「世界保健機関(WHO)ではブースター接種について十分に検証されていないと言われている。世界でワクチン接種が先行している国のデータを収集・分析し、専門家の皆さんの評価をいただきつつ、3回目のブースター接種が必要なのか、また2回接種が必要なのか早急に検討し結果を得たいと思う」と語った。
厚労省では、米ノババックスが開発中のワクチンについても、同社の承認取得を前提に来年初頭から1億5000万回分の供給を受けられるよう協議を進めている。