厚生労働省は17日、新型コロナウイルスワクチンの生産体制を整備する製薬企業に助成金を交付する「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第2次公募)」の対象企業に、国内ベンチャー「VLPセラピューティクス」を採択したと発表した。助成金は143億4000万円。
同社は、自己増殖mRNAテクノロジーを用いた新型コロナウイルスワクチンの開発を進めており、2020年8月に日本医療研究開発機構(AMED)の「新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発」に採択された。第I相試験を10月に実施予定で、第II・III相試験は今年度中に着手する見通しを示している。
ワクチン生産体制等緊急整備事業では、生産体制整備を行う各製薬企業に20~250億円を助成することとしている。要件として、ワクチンを製造可能な生産設備を国内で整備すること、有望なシーズを持っていること、事業の中止がないことなどを求めている。
第2次公募は7月上~下旬に行い、3社が応募。評価委員会による審査の結果、同社の事業がこれら要件を満たしていると判断した。2020年度第2次、第3次補正予算を助成金として充て、143億4000万円を交付する。
2020年に実施した第1次公募では、塩野義製薬、KMバイオロジクス、アンジェス、武田薬品、アストラゼネカ、第一三共の6社が採択され、合計で約900億円が交付された。
次回公募の実施について、現時点では未定としている。