5日付で都道府県薬剤師会会長向けに通知を発出した。5月に開催された厚生労働省の検討会では、薬剤師によるワクチン接種について「今後の接種の進捗状況を見つつ、必要に応じて検討する」とされたのを受け、薬剤師によるワクチン接種が必要になった場合に即座に対応できるよう予防接種研修プログラムを作成した。
都道府県薬が研修プログラムを企画・主催し、都道府県薬の会員・非会員の区別による受講の制限は行わないよう求めた。受講料は都道府県薬で定め、非会員との金額差は社会通念上妥当な差とすることとした。
研修プログラムは「講義」と「実技研修」で構成。講義は▽ワクチンに関する基礎知識(副反応に関する内容も含む)▽緊急時対応の基礎▽ワクチン接種に必要な解剖学の基礎知識▽ワクチン接種の実際(接種時の注意点を含む)▽ワクチンのアナフィラキシーとその対応等――の5項目。
研修プログラムの修了は、講義の受講後1年以内に実技研修を修了することを要件とする。講義の受講後1年以内に実技研修が修了しなかった場合は、改めて講義を受講し直さなければ、実技研修を受講してはならない。
講義は全てYoutubeで配信し、集合研修であっても会場でYoutubeを視聴する。受講管理のため、講義受講者は任意の時間に視聴するのではなく、指定した日時に受講する。
講義の視聴後には5肢択一の全15問のテストを実施し、全問正解となるまで講義の受講済みとはならない。ワクチン接種の実技研修は臨床検査技師、救急救命士の実技研修と同等の内容とする。
研修プログラム修了者の情報は今後の調査や薬剤師によるワクチン接種を実施する際に利用する。必要に応じ、地域薬剤師会や地方公共団体等にも提供する場合がある。
研修プログラム修了者には修了証を発行し、修了証の有効期限は2年間とする。都道府県薬は研修プログラムの実施状況と研修プログラムの修了者を3カ月に1度、日薬に報告するとした。