日本製薬工業協会医薬品評価委員会臨床評価部会は、治験に訪問看護を活用する場合の手引きを作成した。治験実施医療機関が在宅医療を実施している医療機関、訪問看護ステーションと業務委受託契約を結び、治験に参加する患者の居宅で訪問看護を提供するなどの方法を例示。在宅医療機関の医師・看護師、訪問看護ステーションの訪問看護師を治験協力者とすることで、被験者の安全性確認で連携が取りやすくなると期待する一方、緊急時の対応では治験実施医療機関との役割分担を明確化するよう事前の準備が重要と指摘した。
臨床評価部会のタスクフォースでは、被験者が医療機関に来院にしなくても臨床試験に参加できる分散化臨床試験に向け、日本での導入手引きを策定した。オンライン診療やウェアラブルデバイスの活用、自宅への治験薬配送など様々な手法が挙げられる中、訪問看護師が治験協力者として被験者宅で治験薬投与を行う訪問看護も選択肢の一つに位置づけ、導入手順や運用時の留意点を示した。