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ファイザー製新型コロナワクチン2回目接種後にIgG抗体が大幅上昇-藤田医科大ほか

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2021年07月28日 AM11:45

接種前後の血中RBDに結合するIgG抗体の測定、抗体のでき方の違いなどを調査

藤田医科大学は7月26日、ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種した同大の教職員219人全員で、血液中の抗体がワクチン接種後に上昇したことを確認したと発表した。この研究は、同大学院保健学研究科の藤垣英嗣講師、山本康子准教授、齋藤邦明教授らの研究グループと、、富士フイルム和光純薬株式会社、富士フイルム株式会社との共同研究によるものだ。


画像はリリースより

現在、日本では新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいる。ワクチンの接種には感染防御の効果があることは証明されているが、日本人の接種後の抗体量の上昇の仕方や個人差などについてはまだそれほど多くの調査はされていなかった。また、測定する抗体にはIgG、IgM、IgAなどの種類があり、どの抗体を測定するのが最も適した方法なのかはよくわかっていない。

研究グループは、新型コロナウイルス感染症患者の血液を用いたこれまでの研究により、ウイルスの受容体結合ドメイン(Receptor Binding Domain:RBD)に対するIgG抗体を測定することがウイルス中和活性を最もよく表すことを明らかにしている。

そこで、同大の教職員を対象に、ワクチン接種前後の血液中のRBDに結合するIgG抗体の測定を行い、個人による抗体の上昇の仕方の違いやワクチン接種により中和抗体ができるかどうかを調査した。

219人対象、抗体量は女性のほうが男性より高く、男性では年齢が高いほど抗体量が少ない

研究参加の同意が得られた219人(男性69人、女性150人)を対象に、ワクチン接種前、1回目接種後約14日目、2回目接種後約14日目に採血を行った。血液中のRBDに結合するIgG、IgM、IgA抗体をそれぞれ測定したところ、すべての抗体は接種後に上昇したが、特にIgG抗体は2回目の接種後に大幅に上昇することが明らかになった。

次に、性別と年齢により2回目接種後のIgG抗体量に違いがあるかを調べた。その結果、女性の抗体量の平均値は男性より高く、男性は年齢が高いほど抗体量が少ないことがわかった。さらに、ワクチンを接種した人の血液が中和活性を持つかを調べるために、2回目接種後の血液の中和活性を測定した。その結果、RBDに結合するIgG抗体量が多いほど中和活性が高いことが明らかになった。

継続的な血中抗体量の測定により、個人にあったワクチン接種ができる可能性

これらの結果は、日本人においてもワクチン接種により抗体ができることを示しており、ワクチン接種により感染防御能を持つ中和抗体ができていることを示している。ただし、そのでき方には個人差があること、また、血液中の抗体の測定は、感染防御能を獲得したかどうかを表す指標となる可能性があること示唆している。研究グループは、「血液中の抗体量を継続的に測定することで、個人にあったワクチンの接種間隔や接種量、接種回数などを決めることができる可能性があり、今後も調査を続ける予定だ」としている。

自動化学発光酵素免疫分析装置で迅速に抗体測定が可能な試薬を開発

共同研究の成果をもとに、今回測定したRBDに結合するIgG抗体量を全自動で迅速に測定可能な自動化学発光酵素免疫分析装置「Accuraseed(R)」()の専用試薬「 COVID-19抗体」(富士フイルム和光純薬株式会社)を開発した。今後、この分析装置を用いてより大規模な調査も行い、感染から防御するために必要な抗体量の指標なども調査する予定だ。

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