この日の総会では、昨今の後発品の品質や安定供給に関する問題も踏まえつつ、新目標との関係を踏まえた後発品調剤体制加算等の見直しの検討など、「経済財政運営と改革の基本方針2021」や「成長戦略実行計画2021」を踏まえた今後の対応を論点に議論を開始した。
有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)は、23年度末までに全都道府県で使用率80%以上とする目標も掲げられる中、「後発品の信頼が揺らぎ、出荷調整や欠品がさらに悪化している状況。ひどい状況にあると言わざるを得ない」と薬局での使用促進が厳しい現状にあることを説明した。
その上で、後発品の使用率に応じた後発品調剤体制加算の減算規定について、「後発品メーカーから出荷調整や欠品の案内があったものは、使用率の母数から一時的に除外するなど診療報酬上の対応を早急に求めたい」と要求した。
財務省が実施した予算執行調査結果では、後発品調剤体制加算について減算を中心とした制度に見直すべきと厳しい意見が出たのに対し、「減算ありき、ペナルティありきの評価制度であってはならない。明確に反対する」と訴えた。
「薬剤師の努力で後発品の使用促進を行い、目標を達成してきたが、目標を達成したからといって減算の考え方を入れてはならない。努力した先にこうした結果はあまりに強引ではないか」とし、「(後発品使用割合の)水準を維持することへの効果にも焦点を当てるべき」と主張した。
支払側の安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、「後発品の使用促進では新目標に向けて診療報酬でどう対応していくか、加算・減算の考え方を含め見直しを検討する必要がある」との考えを示した。
幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「加算による費用対効果が薄まっているという現状がある。加算のあり方を次期診療報酬改定で見直すべき」と述べ、今後の使用促進へ現行の加算制度では限界との認識を示した。
具体的には、「(後発品使用割合で)75%以上が加算対象、4割以下を減算対象とするのが妥当であるのか見直していくべき」と問題提起した。
後発品調剤に関して処方箋の変更不可欄削除をめぐっても、支払側と診療側で意見が割れた。幸野氏は「変更不可欄は役割を終えた。医師は後発品を使うことに患者に納得してもらうよう説明すべき」と述べたのに対し、池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)は「医師から説明するが、患者が先発品をほしいと言うのは権利だと思う」と反論した。