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厚生労働省、軽症コロナ治療薬を初承認-入院患者に国が無償提供

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2021年07月21日 AM10:30

厚生労働省は19日、中外製薬の新型コロナウイルス治療薬「ロナプリーブ点滴静注セット300」「同セット1332」(一般名:)を特例承認した。新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子を持ち、酸素投与を要しない軽症・中等症I患者が投与対象となる。重症化リスクのある入院患者に投与し、国から患者に無償提供を行う。軽症患者向けには初の新型コロナ治療薬となり、重症化予防効果に期待がかかる。

■重症化予防に期待

薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は同日に同剤を審議し、特例承認しても差し支えないと結論付けた。同剤は新有効成分のカシリビマブ、イムデビマブの2種類の中和抗体を組み合わせた抗体カクテル療法で、「SARS-CoV-2による感染症」(新型コロナウイルス感染症)の治療を効能・効果とする。既に20日から入院施設のある医療機関への配送を開始した。

ロナプリーブは、新型コロナウイルスの表面に存在するスパイク蛋白質と宿主細胞表面の酵素との結合を阻害する中和抗体薬で、宿主細胞への侵入を阻害する仕組みを持つ。投与対象となるのは、発症者全体の十数%程度と見られる。

用法・用量は、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児にカシリビマブとイムデビマブとしてそれぞれ600mgを併用により単回点滴静注する。添付文書では、アナフィラキシーを含む重篤な過敏症が現れることがあるため、アナフィラキシーショックに対する適切な薬物治療をただちに実施できるようにしておくことを注意喚起した。妊婦には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみに投与する。

米国では、20202年11月に緊急使用許可(EUA)を取得。中外は特例承認の枠組みで6月29日に厚労省に承認申請を行っていた。

海外臨床試験では酵素飽和度93%以上の患者を対象とした臨床試験で入院または死亡に至った被験者の割合が1.0%とプラセボ群の3.2%に比べ、70.4%減少させた。

国内のコロナ治療薬としてはレムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブが中等症から重症患者向けに承認されているが、ロナプリーブが4番目となる。軽症患者向けには初となる。

同部会で特例承認の了承後に会見した田村憲久厚労相は、「(軽症者に対して)いろんな適応外薬を使用してきたが、軽症者がこれから増加することが予想されるので、適切な対応をするために一つの治療法が確立されればという期待を持ちながら承認した」と語った。

同剤は2021年分を政府が確保することで合意している。田村氏は「国民に適切に供給できるよう政府が確保した上で医療機関に配送する」と述べた。

■モデルナ製ワクチン、12歳以上に引下げ

同部会では米モデルナが開発し、武田が製造販売承認を取得した「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)について、接種対象者を12歳以上に引き下げる添付文書改訂を行っても差し支えないと確認した。

これまでは18歳以上が接種対象となっていた。接種対象者を12歳以上とするのはファイザー製ワクチンに次いで2製品目。厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で臨時接種の取り扱いを審議する。

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