今回の通知は8月16日までに製造販売承認を受け、20日までに日薬連で収載希望書の受付が済んだ医薬品が対象となる。2021年12月収載予定からの運用となる見込み。
現行ルールでは、過去2回の収載品目について供給開始の遅れや欠品、自主回収などの供給不安を起こした企業を対象に、収載時には「収載品目で収載後6カ月間に供給不安を起こした場合には次回の収載を見送る」との念書を提出させている。しかし、過去2回の収載品目で供給不安を起こしていなくても、それ以前に安定供給上の問題を多く発生させた企業には罰則がなく収載される仕組みであるため、ルール上の不備が指摘されていた。
今回のルール見直しでは、過去5年間(10回分)に収載された後発品について供給不足を起こした企業に対象を拡大し、念書の提出を求める。薬価基準収載日から起算して5年を経過していない後発品について1品目でも供給不足を起こした企業は、念書提出以降に新たな供給不安を引き起こした場合、発生日以後2回分の収載を自発的に見送ると念書に記載するよう要求した。
ただ、出荷調整を実施した企業でも、個々の事象がどういう事由によって起こったかを勘案した上で判断する。他社事由による出荷調整は対象としない。念書を提出した企業名はこれまで同様に開示しない方針。
また、特許係争の恐れがあると思われる品目の収載を希望する場合は、事前に特許権者である先発医薬品製造販売業者と調整を行い、将来を含めて医薬品の安定供給が可能と思われる品目についてのみ収載手続きをとることとした。必要に応じて、安定供給が可能であることを客観的に証明できる資料として特許権者の同意書などの提出を求めることがあるとした。
後発品をめぐっては小林化工や日医工をはじめ、医薬品医療機器等法に違反した製造不正が相次いでおり、信頼回復が喫緊の課題となっている。国は業務停止日数の上限を110日から180日に引き上げ、後発品の共同開発品に関する承認審査を厳格化した。
さらに先月から、46都道府県と合同で後発品メーカーの製造工場に対する無通告の立入検査を実施し、監視体制を強化している。