総責の選任では、薬事法規や製品特性、原材料の調達から製品の市場への出荷までの業務プロセス、製造法・製造管理、安全確保業務に関する総合的な理解力や適正な判断力を有することを要件に挙げた。
第一種医薬品製造販売業では医薬品の品質管理・製造販売後安全管理に関する業務などに3年以上の従事経験を求め、原則として総責を経営会議に直接出席させる必要性も示した。総責、品質保証責任者、安全管理責任者の三役については、役割や権限を明確化し、安定的な人材確保を図るため、将来的な三役の候補となり得る人材育成に努めるよう促す。
また、小林化工などの後発品メーカーで承認書とは異なる製造方法で製造が行われたのを踏まえ、総責と品責には職員個人の意図的な不正行為を防止するための対策も検討させることを明記。製造販売業者と製造業者が同一法人である場合には、定期的な人事異動、内部通報制度の整備、製造区域への入退室管理、定期的なコンプライアンス研修、医薬品品質システムの積極的な活用などが考えられるとした。
製造販売業者と製造業者が同一法人でない場合は、製造業者の選定に当たり、製造業者が職員個人の意図的な不正行為を防止するための取り組みの実施状況を考慮すると共に、取り組みの推進を働きかけるのが望ましいとの見解を示している。
一方、安全確保業務では、製造販売後安全管理業務手順書に、MRが安全管理情報を入手した場合や、通常行っている有害事象報告に加えて臨床研究や医薬関係者を対象としたアンケートで得た安全管理情報も安全管理統括部門に報告することなどを規定すべきとした。総責と安責には、副作用報告漏れを防止する措置として営業所への点検方法を検討させるよう求めた。具体的には、安全管理統括部門の職員を営業所に直接訪問させ、営業所の責任者やMRに対する聴取を通じて、安全確保業務の実施状況を確認させる方法を選択肢の一つに挙げた。