都薬は会員薬局の管理薬剤師や開設者を対象に都薬会員用ホームページでウェブ調査を実施し、製品回収や承認取消となった企業製品の代替対処や新規採用医薬品の注文取引などについて聞いた。6月末に1000人を対象とした途中経過分析を実施していたが、今回、回答数を1520人まで増やして集計した結果を報告した。
最終集計は途中経過分析から傾向は大きく変わっておらず、薬局は後発品の調達に苦しんでいた。薬局が採用している後発品について卸の納入状況を聞くと、「製品が流通していないため発注ができない場合が多くある」が17%、「納品が滞り、調剤業務に影響が出る場合がある」が65%と8割強が影響を認めた。
一方、「希望した発注数通りではないが、調剤業務に影響が出ない範囲で納入されている」は16%、「希望した後発品が発注数通りに納品されている」は2%にとどまった。
現在入手困難な医療用医薬品(後発品)の品目数では、「10品目以上」が最多の33%を占めた。次いで「5品目」が13%、「3品目」が12%の順となった。入手困難な先発品の品目数では、「0品目」が25%、「1品目」が27%となった一方、「2品目」が18%、「3品目」が11%と後発品の自主回収が先発品にも波及していた。
また、現在入手困難な後発品銘柄を3品目まで挙げてもらったところ、181銘柄が確認された。最も回答が多かった銘柄は「オロパタジン塩酸塩」で、全体の3分の1強が調達できていないとした。次いで「プランルカスト」「トコフェロール」「トリアゾラム」が続いた。
先発品では特に「アレロック」「オノン」「フラビタン」「ベオーバ錠50mg」の四つの銘柄が入手困難な状態となっていた。
後発品の使用促進では、5月の後発品使用率が1月と比較して「下がっている」と回答した薬局は35%を占めた。後発品メーカーに対する意見では、「品質管理や安定供給を徹底してほしい」「メーカーに対する不信感が強い」「国民に対して現場の皆が頑張って築き上げてきた使用実績や信頼感を無にした」などが寄せられた。
永田泰造会長は9日の定例会見で、薬局で後発品使用率が低下している現状について、「後発品の入手ができなくなり、先発品に変えざるを得ないという問題が発生している。さらに後発品に対する不信感が高まり、使用率が下がっている」と説明した。
その上で、後発品調剤体制加算を取得している薬局にも影響が出ていると言及。「月に3000枚くらい処方箋を応需している薬局は、下手をしたら年間で600万から1000万円に近い金額の損失が出てしまう」と懸念を示した。