骨太方針では、社会保障改革として薬価制度のあり方に言及。革新的医薬品のイノベーションを評価する観点とそれ以外の長期収載品目について、透明性と予見性の確保に留意しつつ、評価の適正化を行う観点から薬価算定基準の見直しを図るべきとした。
OTC類似医薬品等の既収載品目の保険給付範囲については、引き続き見直しを行う必要があるとした。
後発品に関しては、23年度末までに数量シェアを全都道府県で80%以上とする新目標について検証を行うよう明記した。品質と安定供給に関する信頼性確保、バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算の見直し、フォーミュラリーの活用など、後発品の使用促進に向けた検討を進めるよう求めた。
また、「かかりつけ薬剤師・薬局の普及を進める」と新たに追記したほか、多剤・重複投薬の対策も強化する。
症状が安定している患者については、医師と薬剤師が適切に連携することで、医療機関に行かなくても一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院にかかる負担を軽減することも必要としている。
医薬品サプライチェーンの実態を把握すること、非常時における買い上げ等の導入など、緊急時に対応可能な医薬品の供給体制確立を図ることも必要とした。
女性活躍を促す施策として、処方箋がなくても避妊薬を薬局で適切に利用できるよう、年度内に検討を始めて国内外の状況を踏まえながら議論を進めることとした。
コロナ禍を踏まえた感染症対策も盛り込んだ。新興感染症に備え、国産ワクチンの開発促進に向けた施策を示した「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を着実に推進し、そのために必要な取り組みの財源を安定的に確保すべきとした。
より早期の実用化を可能とするための仕組み、接種体制の確保など、有事に備えた取り組みについて、実効性のある対策を取ることができるよう法的措置を速やかに検討する必要もあるとした。