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【厚労省調査】奨学金利用、薬剤師の3割-平均年収は500万円に

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2021年06月09日 AM11:45


■厚労省調査

厚生労働省は、薬剤師の需給動向把握事業における調査結果を公表した。それによると、薬局薬剤師の平均年収は488万円、病院薬剤師の平均年収は512万円であり、薬局薬剤師の29.0%、病院薬剤師の35.7%が奨学金を利用していることが明らかになった。薬局薬剤師では奨学金の平均額が461万円となり、特に6年制で利用率が高いことも分かった。

調査は、薬剤師の業務実態や働き方などを把握するために実施したもの。薬剤師の充足人数を尋ねたところ、薬局では「適切な人数を確保できている」との回答が60.5%と最も多く、「適切な人数より不足している」との回答は19.4%となった。

一方で、病院では「適切な人数を確保できている」との回答が38.2%にとどまり、「適切な人数より不足している」が50.5%と半数に上った。

実際、薬剤師の募集について、2019年1月から12月における常時募集、定期募集の状況を見たところ、薬局では常時募集の実施割合が26.6%、定期募集は13.7%だったのに対して、病院では常時募集の実施割合は40.2%、定期募集も27.5%と薬局に比べて高かった。

特に、病院において19年4月から20年3月の1年間に臨時に薬剤師を募集した薬局は28.9%あり、このうち3カ月以内に応募があった割合は35.6%だった。臨時募集の理由は「常に欠員が生じている」との回答が47.5%と最多で、病院薬剤師が不足している状況がうかがえた。

また、薬局薬剤師の年収を見ると、「500~600万円未満」が21.6%と最も多く、次いで「600~700万円未満」が17.9%、「700~1000万円未満」が14.8%と続いたが、平均では488万円となった。

病院薬剤師の年収は「400~500万円未満」が29.7%と最も多く、次いで「500~600万円未満」が25.7%、平均は512万円となった。

また、薬局薬剤師の29.0%が奨学金制度を利用しており、大学課程別では4年制が23.4%、6年制が45.8%と、6年制課程での利用率が高いことが明らかになった。

卒業時の概算の累計利用額は「200~400万円未満」が25.4%と最も多く、平均は461万円となった。

大学課程別に比較したところ、4年制では利用累計額が「200万円未満」と「200~400万円未満」に集中しており、全体の50%を占めた一方、6年制では「200~400万円未満」が18.5%と最も多かった。600万円以上の割合を見ると、4年制では4.9%であるのに対し、6年制では41.2%となり、6年制ではより奨学金を利用している人が多い実態がうかがえた。

病院薬剤師では、35.7%が奨学金制度を利用しており、卒業時の概算の累計利用額は「200~400万円未満」が29.8%と最も多かった。

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