議連会長の上川陽子法相は、同日の会議であいさつし、「後発品の使用促進について議論するタイミングだったが、後発品の信頼性を揺るがしかねないことが起こった」と指摘。「大前提が崩れ、足元が揺らいでいる状況の中で、新たな数値目標の実現に向けた支援をすることができない。不正事案をしっかりと踏まえないと先に進めない。信頼回復に向けた取り組みについてしっかりとした施策を提言することに力を尽くしたい」と述べた。
提言では、全ての後発品メーカーに対し、ガバナンス・コンプライアンス・リスクマネジメントの徹底を求め、「揺るぎない安定供給体制」「高度な製造管理・品質管理体制」「品質・有効性・安全性等の各種情報の提供」を遵守する責務があると明記した。
その上で、医薬品や原薬のサプライチェーンをめぐる課題については、個々の企業の取り組みだけではなく、官民が協力したリスク対応が必要と明記。医薬品や原薬を調達できない場合に備え、包括的な危機管理体制と有事のリスクに対応した供給調整メカニズムの構築に取り組むべきと主張した。
医薬品供給体制の構築に向けては、医薬品製造業の製造管理・品質管理体制、医薬品製造販売業の品質保証体制が正しく確保されていることを担保する仕組みを早急に構築すべきと要求。原薬製造から持続可能な医薬品供給の仕組みを国際連携のもとで構築するためには、日本が主導的に対応していくべきと促した。
また、安定供給に努力している企業が製造販売する低薬価品が不採算とならないよう医療保険制度上の配慮を求めた。
一方、全都道府県で取り組んでいる第3期医療費適正化計画を確実に進めるためには、薬剤費の大きい都道府県で適正化を進めるよう提言。特に地域に合わせて後発品の使用割合を見える化することでバラツキを解消し、全ての国民・地域で広く使用されるべきと訴えた。
会長代行の藤井基之参議院議員は、会議後に記者団に対し、「製造所に対する査察体制も地域によってバラツキがある。都道府県の監視体制を質と量の両面で上げていくことも課題」と述べた。