厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会は5月31日、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の対象を「16歳以上」から「12歳以上」に拡大することを了承した。厚生労働省は同日付で、予防接種実施に関する厚労大臣の指示書を一部改正し、自治体向けに通知を発出した。
5月28日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会では、ファイザーが製造販売する新型コロナウイルス感染症ワクチン「コミナティ筋注」について、接種対象年齢を12歳以上に引き下げる添付文書改訂を行っても差し支えないと判断。同31日にファイザーが添付文書を改訂していた。
この日の分科会では12~15歳の臨時接種の取り扱いについて審議。厚労省は、12~15歳に使用した場合も16歳以上の者に接種した場合と同様の有効性・安全性が期待できることや、10代における10万人当たりの陽性者が60代、70代よりも多いことから、接種対象を12歳以上に拡大する厚労大臣指示書の一部改正案を諮問した。委員からは特に異論はなく、接種対象を12歳以上に拡大することが了承された。
現在は65歳以上の高齢者接種が進められ、12~15歳への接種が行われるには一定期間かかることが見込まれている。12~15歳への接種券送付に当たっては、接種体制や高齢者への接種状況を確認しつつ、実際の送付時期を決定するよう自治体向けに周知する。