新型コロナワクチン接種迅速化への貢献にも期待
医療事務サービスを展開するソラストは、5月12日、医療事務のオンライン受託サービス「リモート医事」の提供を開始すると発表した。新サービスは6月にスタートする。
リモート医事は、医療事務の専門スキルをもった同社スタッフが、クリニックを中心とした全国の医療事務業務(予約・問い合せ対応、受付処理、料金計算、診療報酬請求)を請け負い 、リモートセンターでリアルタイムに対応するというもの。同社は、医療従事者の業務負担の軽減や患者の待ち時間短縮など、“ニューノーマル時代”に即した医療デジタルトランスフォーメーション(DX)パッケージ「iisy(イージー)」の展開を打ち出しており、その第1弾にリモート医事を位置づけている。
12日のセミナーでソラストの大島健太郎氏(スマートホスピタル開発部長)は、リモート医事を導入するメリットとして、「医師や看護師が本来業務に集中することで医療のクオリティが上がる」と指摘。「労務管理やスタッフ教育の負担を同サービスによって軽減できる」とした。大島氏はまた、「専門性の高いスタッフが請求業務を適正に行っていくため、医療費の適正化につながる」ことを挙げたほか、アナログ文化が根強い医療現場でDXを推進していくための足掛かりにもなるとし、同サービスの導入効果に期待を寄せた。
セミナーで記者から「新型コロナワクチン接種の迅速化に貢献できそうか」と問われると大島氏は、「相性は良い。一時的に必要となるワクチン接種に関する医事業務をリモートで行い、現場の課題を解消することは可能だと考えている」との認識を示した。
藤河社長、「世界最高のセキュリティを構築したい」
リモート医事のセキュリティ対策については、ISMS/ISO27001の認証を取得し、厚生労働省、経済産業省、総務省のガイドラインに準拠した環境を整備しているという。会見でソラスト社長の藤河芳一氏はこれについて、「ソフトバンク社との業務連携、名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンターとの共同研究も行い、世界最高のセキュリティを構築したい」と意気込みを語った。
サービスの対象医療機関は、主に診療所や中小病院。料金体系については、従量課金制(単価は医療機関と相談のうえ決定。また固定価格の場合もあり)を予定しているという。対象医療機関について藤河氏は、「既存の医療機関では職員の配置転換や雇止めをする可能性が出てくるため、まずは新規の開業医にアプローチをかけたい」との構えをみせた。
▼関連リンク
・株式会社ソラスト プレスリリース