厚生労働省は21日、小林化工による改ざん等が行われた資料をもとに共同開発品目の承認申請を行ったエルメッドなど後発品企業3社に対し、医薬品医療機器等法に基づく業務改善命令を出した。対象となった医薬品は計8品目。今後の開発品目については、法令を遵守した申請を行うことなど再発防止策を盛り込んだ改善計画を策定して提出するよう求めた。
行政処分の対象は、エルメッド、Meiji Seika ファルマ、第一三共エスファの3社。小林化工が改ざん、虚偽記載した承認申請資料を用いて、同社と共同で医薬品開発していたことを問題視した。承認申請書に添付する安定性試験に関する資料で、試験実施時期の虚偽記載等が行われていた。
エルメッドでは「アナストロゾール錠1mg『EE』」「イルベサルタン錠50mg『EE』」「同錠100mg」「同錠200mg」「モンテルカスト細粒4mg『EE』」の5品目で確認。Meiji Seika ファルマでは「ロスバスタチン錠2.5mg『明治』」「同錠5mg」の2品目、第一三共エスファでも「エンテカビル錠0.5mg『DSEP』」が対象となっている。
厚労省は、これら8品目について、信頼性の基準を満たしていないと判断。医薬品医療機器等法に基づき、業務改善命令を3社に出した。
具体的には、薬機法やGCP省令等の法令を遵守して製造販売の承認申請を行うこと、再発防止に必要な体制を構築する必要があるとし、6月21日までに是正措置と再発防止策を盛り込んだ改善計画を策定し、提出するよう求めた。
3社の行為は、薬機法で規定する承認取り消し事由に当たるとしていたが、「悪質性が比較的低い」と判断し、各社が自主的に承認整理することを認めている。4月末から各社が自主回収を行っており、6月1日までに整理される見通しだ。
一方、ニプロESファーマの肺高血圧症治療剤「ボセンタン錠62.5mg『タナベ』」も共同開発品目に当たるが、他社が承認申請を行った承継品目であることを踏まえ、業務改善命令の対象外とした。