日本薬剤師会が敷地内薬局の誘致状況を調べたところ、3年前の調査から約3倍の186件と増加していることが判明した。国公立病院や公的病院などで大幅に増加していた。
日薬は、保険医療機関による同一敷地内への薬局の誘致が増えているとの情報が寄せられたことから、都道府県薬剤師会の協力を得て、全国の敷地内薬局に関する情報を収集した。今回は診療所敷地内も含め情報提供の対象とした。
昨年12月までの敷地内薬局の誘致に関して「誘致事例あり」と回答したのは41都道府県186件で、前回調査となる2018年9月に報告された33都道府県64件から大幅に増加した。
内訳を見ると、国公立病院は32都道府県56件(前回:23都道府県30件)、公的病院が19都道府県31件(8都道府県8件)
前回はゼロだった社会保険病院が4都道府県4件、今回新たに調査した診療所では10都道府県32件の報告があった。
日薬は、医療機関が誘致を進める敷地内薬局に対して反対の立場を取る。森昌平副会長は12日の都道府県会長協議会で、「こんなに件数が増えていて驚いている。これら以外にも各病院の募集要項など各県から様々な情報を得ている」と報告。今後、敷地内薬局の誘致に反対する要望書をまとめ、厚生労働大臣宛てに提出予定であるとした。
森氏は、「独立性に疑義があるものは明確な基準を設けて敷地内薬局として認めないようにすることや、基準に従って疑義が生じたものは、指定されたものについても再審査を行うなど申し入れを行っていく」と述べ、厚労省に厳正な対処を求めていく方針だ。