ファイザーとは、新型コロナウイルスワクチン1億4400万回分の供給を受ける契約を結んでいた。9月までに接種対象者が確実に供給が受けられるよう、5000万回分の追加供給を受けることを前提に協議を進めている。
ノババックスからは5000万回分、モデルナからは1億5000万回分の追加購入を目指す。厚労省は2社からの追加購入について、▽ワクチン接種で獲得される免疫の持続時間によってはワクチンを追加接種する必要がある▽変異株に対応したワクチンを確保する必要がある――と説明。現在、正式な契約に向けた詳細な条件を詰めている。
ノババックスとの契約が成立すれば、ワクチン供給契約を結ぶ海外メーカーは4社目となる。同社が開発しているワクチンは、遺伝子組み換え蛋白質ナノ粒子技術を用いて開発されたワクチン。ファイザーやモデルナなどのワクチンと同様に2回接種となる。海外での承認国・地域はない。
厚労省が実施しているワクチンの生産体制等緊急整備事業を活用し、国内で生産できるようにする。武田薬品が国内製造と流通を手がける。
一方、モデルナは、変異株に対するワクチンの発症予防効果を検討する臨床試験を実施しており、今後の協議の中で「どういったワクチンを提供できるのか話し合いを進めていきたい」(厚労省)としている。
菅義偉首相は、7日の緊急事態宣言延長に関する記者会見で、新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種について、1日当たり100万回を目指す方針を示し、「7月末を念頭に希望する全高齢者に2回の接種を終わらせるようあらゆる手段を尽くし、自治体をサポートする」と表明。
具体的方策として、製薬各社とワクチン供給に関する協議を進めている状況に言及。「来月中をメドに、高齢者の接種見通しがついた市町村から、基礎疾患がある人を含め、広く一般の人にも接種を開始したい」との考えを示していた。