厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症治療薬の実用化を促すため、第II相試験、第III相試験を行っている4社7件の事業を補助金の交付対象として採択した。小野薬品の経口蛋白分解酵素阻害剤「カモスタットメシル酸塩」、米国で緊急使用許可を受けた中外製薬の「REGN-COV2」などが選定された。
採択されたのは、小野薬品の経口蛋白分解酵素阻害剤「カモスタットメシル酸塩」(販売名:フオイパン錠)、中外製薬の「REGN-COV2」「AT-527」、英グラクソ・スミスクラインの「GSK3196165IV」「GSK4182136(VIR-7831)」、米ファイザーの「PF-07321332」「PF-07304814」の計7件。
このうち、REGN-COV2については、昨年11月に米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を出している。
補助金額は総額70億円だが、現時点では各社に必要額を聞いている段階としている。
厚労省の2020年度第3次補正予算で実施する「新型コロナウイルス感染症治療薬実用化のための支援事業」は、治療薬として開発中の薬剤のうち、第II相試験、第III相試験段階にあるものを対象に、試験にかかる費用を補助金として交付し、国内での実用化を加速化させるもの。承認申請を行うことを前提に支援し、薬価収載を目標としている。
7社10事業を厚労省の評価委員会が選定した結果、薬事承認が実現可能な見込みであることや、新薬開発に関する実績等の観点から、今回の4社7事業が採択された。