新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に係る人材に関する懇談会が23日に開かれ、歯科医による新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について、筋肉内注射に関する必要な研修を受けているなど一定の条件を満たせば、医師法上でも接種は可能とする厚生労働省案を了承した。厚労省は、近く自治体向けに歯科医へのワクチン接種の協力依頼が可能とする事務連絡を発出し、ワクチン接種の人材確保につなげたい考えである。
この日の懇談会では、歯科医によるワクチン接種について、医師法との関係で違法性が阻却され得るか整理した。厚労省は、▽看護師等の確保が困難で、歯科医の協力なしに特設会場での集団接種が実施できない▽歯科医が筋肉内注射の経験を有している、またはワクチン接種のための筋肉内注射について必要な研修を受けている▽歯科医による接種について患者の同意を得る――の三つを全て満たした場合には、歯科医によるワクチン接種は可能との考え方を示した。
歯科医への協力依頼は、自治体の長が地域医師会等の関係者とも合意の上で、地域歯科医師会に協力を要請する。歯科医がワクチン接種を行うのは集団接種を行う特設会場に限定し、予診やアナフィラキシー等の症状が発生した場合は、特設会場にいる医師が対応することとした。
一方、厚労省は会議後、記者団に対し、関西広域連合が薬剤師などによるワクチン接種を要望したことについて「薬剤師は侵襲性のある行為はできない」と否定的な見解を示した。