医療関係者を対象としたワクチン接種は4日までに109万6698回行われ、このうち副反応疑い報告数は1755件(0.16%)だった。
アナフィラキシーとして報告されたのは350件で、接種100万回当たりの報告件数は319件となり、前回報告時よりも6件増加。アナフィラキシーかどうかを判断するブライトン分類に基づき評価した結果、アナフィラキシーと判定されたのは79件で、接種100万回当たりの報告件数は72件と、前回報告分の81件を下回った。
また、この日の会議では、ワクチン接種後の死亡事例4件が新たに報告された。脳出血が原因で死亡した72歳女性、急性心不全により亡くなった65歳男性について、報告医師は接種との因果関係は「関連なし」と報告した。女性に関しては、肝臓病(C型肝炎)、脂質異常症等の基礎疾患を持っていた。また、溺死を死因とする62歳男性、脳出血で死亡した69歳女性では、「評価不能」としている。
専門家も「情報不足により、ワクチンと症状名の因果関係が評価できない」と判定している。
アナフィラキシーを発現した人のほとんどが軽快したことなどを踏まえ、委員から接種中止を求める声は上がらず、同会議はワクチンについて「安全性に重大な懸念は認められない」と結論づけた。
ただ、高齢者向けの接種が始まることを見据え、岡明委員(埼玉県立小児医療センター病院長)は「医療関係者ではアナフィラキシーとして報告される事例はある程度把握できたが、製造販売業者からの報告も必要」との考えを示した。
石井伊都子委員(千葉大学病院薬剤部長)は、収集した医療関係者の報告について「高齢者の接種開始を踏まえ、何に注意すべきか、何を導き出せるかを意識してデータを利用すべき」と述べた。
山縣然太朗委員(山梨大学大学院教授)は死亡事例について「死亡後の解剖に協力を得るための発信をすべき」と求めた。