日本医薬品情報学会は、薬剤師や登録販売者が消費者からのOTC医薬品使用に関する相談に応えられるよう「口腔領域に使用するOTC医薬品・医薬部外品等のリスト」を作成した。口腔領域のOTC医薬品は様々な剤形があり、特殊な使用方法が求められるため、薬剤師や登録販売者でも製品の特徴が掴みきれていないとの声が上がっていた。同学会では、口腔領域で使用する製品の種類を整理し、消費者がOTC医薬品の使用を判断する場合に現場で適正使用の助言ができるよう役立てていく。
口腔領域のOTC医薬品や医薬部外品は、経口剤が中心の内科領域の製品に比べ、喉の粘膜面に噴射塗布したり、歯に詰めるなど特殊な使い方が多く、服用方法を理解していない薬剤師も多い。同学会のOTC情報委員会では、約1年前から千葉県歯科医師会の協力を得て、口腔領域に使用するOTC医薬品・医薬部外品等の種類をまとめ、リスト化した。
今回作成したリストでは、それぞれ用途別に剤形や代表的な製品例、特殊な使用方法などの特徴を示した。例えば、歯痛の用途では丸剤の代表的製品例として正露丸、特徴欄には「5歳以上、虫歯痛には半丸~1丸を歯窩に詰める」と簡潔に記載されている。
OTC医薬品は消費者が自ら使用を判断するが、そのためには薬剤師や登録販売者の専門的知見に基づいた助言が不可欠となる。
同学会は、「口腔領域のOTC医薬品や医薬部外品をリスト化することで、薬剤師や登録販売者が各製品の特徴を踏まえた概略を把握でき、詳細が知りたい場合には添付文書を確認するという手順で活用できる」とし、適正使用に向けた有効策として期待する。今後は、消費者からの相談対応に役立てることで、セルフメディケーションの推進につなげたい考え。