厚生労働省医薬・生活衛生局は2日、法令改正関係の資料など総務課が保管していた文書185件が誤って廃棄されたことを公表した。登録販売者の職務経歴、薬剤師の行政処分歴といった個人情報が含まれる文書も廃棄されたが、溶解処理をしているため、「外部流出の可能性はない」としている。
誤って廃棄された文書185件の内訳は、改正医薬品医療機器等法(薬機法)など法令改正関係資料68件、国会の質問主意書に対する答弁書35件、地方自治体への通知26件、薬局・薬剤師関連通知21件、審議会・検討会関係10件などとなっている。
これらのうち、審議会・検討会の委員名、登録販売者の職務経歴、薬剤師の行政処分歴等の個人情報が含まれていたものは20件だった。文書は溶解して廃棄しているため、外部に情報が流出する可能性はないとしている。
185件のうち、183件は電子データで内容を復元できる見通しである。一方、2015年度と16年度の薬剤師の個別研修指導者の選任に関する書類に関しては、電子的に処理されていないことなどから、復元は不可能としている。
ただ、研修に関する手続きは完了していると説明。業務に支障はないとしている。
誤廃棄が発生したのは3月24日で、定員増加に対応するため同課のレイアウト変更を行った際に、文書を段ボールに入れて廊下に待避させていたが、廃棄業者が誤ってこれら文書も処分対象として搬出してしまったという。書類は、省外の溶解処理場で処分された。
厚労省は、「今回の事態を重く受け止め、行政文書の厳正な管理による再発防止策に努める」として、職員が廃棄業者に明確な指示を行い、作業終了まで立ち会うことなどを実施する考えを示した。