大阪府は18日、府下43市町村に向けた「新型コロナウイルスワクチン集団接種会場マニュアル作成の手引き」を公表した。この中で、住民への持参物としてお薬手帳を明記した。予診票の確認時には多剤を服薬している可能性のある高齢者について事前に手帳の持参を促した上で、薬剤師の配置を検討することが望ましいと記載。接種会場内の環境管理では、環境衛生の知識のある学校薬剤師の配置を推奨している。
手引きは、▽総論▽事前準備▽ワクチン接種実施詳細▽訓練実施概要――の4章で構成。2月16日に厚生労働省が自治体向けに出した手引きを参考に、府が実施した集団接種訓練の結果を踏まえて作成したものとなっている。お薬手帳のほか、数カ所で薬剤師の活用を検討することが望ましいとする記載が盛り込まれた。
府の訓練時に、お薬手帳の活用が有効との指摘が参加した医師や薬剤師から寄せられていたため、事前準備の中で、住民に対してお薬手帳の持参を周知することが望ましいと明記。
ワクチン接種実施の予診票の確認では、確認スタッフは事務員でも良いとしているが、特に高齢者は服薬している場合も多く、その薬の種類も多いと思われるため薬剤師の配置の検討を記載した。
ワクチン接種済み証交付でも、事務員以外に接種後の状態観察や抗凝固薬を服用する被接種者に対し、注意指導を行う場合の薬剤師活用を記載。
環境管理では、特にワクチン保管でドライアイスを使用する場合、使用中の二酸化炭素濃度の上昇への注意、学校保健安全法に基づく学校環境衛生基準を参考に換気のタイミングを検討できる体制整備の検討が必要とし、環境衛生の知識のある学校薬剤師の配置が望ましいとした。
ワクチンの保管と希釈では、薬剤ロスや汚染、作業の遅れを防止するため、注射薬の希釈・充填に熟練した医療従事者の配置が望ましいとし、個別の医療職の記載は行っていない。