厚生労働省の「セルフメディケーション推進に関する有識者検討会」は10日、ビタミン製剤のメコバラミンなど4成分をセルフメディケーション税制の対象から外すことを決めた。医療費適正化効果等の観点から判断したもので、改正税制が始まる2022年1月から4年間の経過措置期間を設けている。
この日の検討会で厚労省は、安全性、医療費適正化への影響等から判断し、セルフメディケーション税制の対象外とする候補成分を示した。
具体的には、強心剤のユビデカノレン、ビタミン製剤のメコバラミン、カルシウム製剤のL-アスパラギン酸カルシウム、う蝕予防剤のフッ化ナトリウムの4成分。
一方、改正税制がスタートする2022年1月1日から、対象外とするまでに4年間の経過措置を設けることにした。
ただ、黒川達夫構成員(日本OTC医薬品協会理事長)は、メコバラミンについて、肩こりや腰痛の罹患者数が多いこと、OTC薬の販売額が年間約70億円に上ることなどを踏まえ、除外に反対する考えを示した。
経過措置期間については、幸野庄司構成員(健康保険組合連合会理事)が「除外対象を年度内に決め、改正税制が始まるのが22年度であるならば3年間でも妥当」としたが、関光彦構成員(日本医薬品卸売業連合会大衆薬卸協議会大衆薬運営委員会委員)は「セルフメディケーションマークが付いた商品が店頭で混在することで客が混乱しないよう、1年分さらに必要」などの考えを示した。
また、厚労省は、国内の罹患者数や潜在的医療費削減効果等の観点から、税制の対象に追加すべき4成分も提示。鎮痛・消炎剤のサリチル酸グリコール、解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン、抗ヒスタミン剤のジフェンヒドラミン塩酸塩、整腸剤の酸化マグネシウムとした。
政府の税制改正大綱では「3薬効程度」追加すべきとしているが、この日の検討会では「症状に対応する薬効は可能な限り、広く対象にすべき」とまとめたことを踏まえ、厚労省が再検討した上で、報告する考えを示した。