米国食品医薬品局(FDA)は2月27日(現地時間)、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)グループのヤンセンが開発した新型コロナウイルス感染症単回投与ワクチンの緊急使用を許可した。18歳以上が接種対象となる。1回接種のワクチンをFDAが緊急使用を許可したのは初めて。J&Jは、今月末までに米国で2000万人分以上のワクチンを提供する予定。非営利での利用もできるようにする。
許可された緊急使用は、18歳以上の新型コロナウイルス感染症予防。一般的に報告された副反応として、注射部位の痛み、頭痛、倦怠感、筋肉痛、吐き気を挙げ、これら副反応のほとんどはワクチン接種後1~2日以内に発生し、軽度から中等度の重症度で1~2日続いたとしている。
緊急使用許可は、中等症から重症の新型コロナウイルス感染症予防に対する同ワクチンの安全性と有効性を評価した第III相試験「ENSEMBLE」のデータに基づくもの。
重症患者の予防効果は全体で85%、全体の予防効果は66%との結果が得られていた。
同ワクチンは1回の接種で済み、ほとんどの冷蔵庫で保管できるのが特徴。遠隔地への配送が容易で、ワクチン接種に関わる負担軽減につながると期待されている。
J&Jは、今年前半に米国で1億回分の提供を行うとしており、後半にはFDAに生物学的製剤承認申請を行う予定。
米国における新型コロナウイルス感染症ワクチンの緊急使用許可は、米ファイザー、米モデルナのワクチンに続き3番目となる。1回接種のワクチンとしては初めて。