田村憲久厚生労働相は24日の閣議後会見で、ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの接種回数を現在の2回から1回に短縮することについて「現時点では難しい」との考えを示した。世界的なワクチン供給不足の現状などに対応する動きだが、十分なエビデンスがないと判断した。
ファイザーの新型コロナウイルスワクチンは、1回目の接種から3週間後に次回接種を行い、3週間を超えた場合は、可能な限り速やかに2回目の接種を実施することとしている。
一方、18日に公表されたイスラエルの医療関係者を対象とした研究成果では、1回の接種でも感染率が85%減少したと報告された。
田村氏は、イスラエルの研究チームの発表について「ブラインドテストを行っていない」と指摘した上で、国内での1回接種について「2回接種より発症予防効果が一定程度落ちると思うし、現時点では国民に理解してもらえるデータがないので難しい」との考えを述べた。
ただ、ファイザーが治験を行った上で、1回接種に関する承認を申請した場合は審査する姿勢も示した。