阪大学生2万6,433人の入学前1年間の朝食、昼食、夕食の頻度と在学期間の体重変化を評価
大阪大学は2月2日、夕食を食べない大学生は体重増加・肥満のリスクが高いことを示し、夕食の摂取頻度と肥満の関連を世界で初めて明らかにしたと発表した。この研究は、同大キャンパスライフ健康支援センターの山本陵平准教授と守山敏樹教授らの研究グループによるもの。研究成果は、国際科学誌「Nutrients」にオンライン掲載されている。
画像はリリースより
これまで、朝食を食べない人は体重増加・肥満のリスクが高いことが知られていたが、昼食・夕食の摂取頻度が体重におよぼす影響はほとんど報告されていなかった。
今回、研究グループは、2007〜2015年に大阪大学に入学した学生2万6,433人の入学前1年間の朝食、昼食、夕食の頻度(ほぼ毎日食べている、食べないことがある、食べないほうが多い、ほぼ食べない)と在学期間の体重変化の関連を評価した。
夕食を食べない大学生は体重増加・肥満リスクが高い傾向
評価の結果、男性では、夕食を「ほぼ毎日食べている」と回答した1万7,307人のうち1,857人(10.7%)が10%以上の体重増加を認め、それ以外の回答をした266人のうち39人(14.7%)が10%以上の体重増加を認めた。女性では、夕食を「ほぼ毎日食べている」と回答した8,502人のうち1,436人(16.9%)が10%以上の体重増加を認め、それ以外の回答をした358人のうち82人(22.9%)が10%以上の体重増加を認めた。
多変量解析の結果、夕食をほぼ毎日食べていた学生と比較して、そうでない学生の10%以上の体重増加のリスクは、男性で1.42倍(95%信頼区間1.02-1.98)、女性1.67倍(1.33-2.09)だった。さらに、肥満(body mass index≧25kg/m2)を発症するリスクを評価した結果、男性で1.74倍(1.07-2.84)、女性で1.68倍(1.02-2.78)だった。一方、朝食・昼食の摂取頻度と体重増加・肥満の関連は認められなかったとしている。
今回の研究は、朝食・昼食よりも、夕食の摂取頻度が、体重増加・肥満に深く関連していることを世界で初めて報告した。今後、成人においても同様の結果が得られるかを明らかにする必要があるという。
同研究成果により、毎日夕食を食べる生活習慣が大学生の肥満の予防につながることが期待される。大学生の肥満予防には、朝食だけではなく、夕食の摂取頻度にも注意が必要だ、と研究グループは述べている。
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