加藤勝信官房長官は1月28日の記者会見で、英アストラゼネカ(AZ)の新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、AZが日本国内で9000万回分(4500万人分)以上生産する方針であることを明らかにした。加藤氏は「国内生産できる体制を確立することは大変重要」と歓迎した。
AZのワクチンをめぐっては、政府が2020年12月に1億2000万回分(6000万人分)の供給を受ける正式契約を締結。このうち、3000万回分(1500万人分)については、3月までに供給を受ける予定としている。
厚生労働省は、162億3000万円をかけて国内での原薬製造や製剤化など体制整備を補助しており、JCRファーマなどが原薬製造を担う。
この日の記者会見で、加藤氏は、同社が1月27日に国内で9000万回分以上の生産を目指すと厚労省に報告したことを公表。その上で、「国内生産できる体制を確立することは大変重要であり、引き続きパンデミックに備えた生産体制の整備をしっかりと進める」との考えを示した。
一方、田村憲久厚労相は1月29日の閣議後会見で、同社のワクチンをめぐって、ドイツの保健当局が65歳以上の高齢者を接種対象として推奨しないとの見解を示したとの報道について言及。
「わが国に承認申請が来ていないので、何とも言えない。申請が来れば審査し、有効性と安全性を確認する」としつつ、「注視したい。ドイツの勧告をどういう意味合いで受け止めるかはこれから検討する」と述べた。