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マルカサイド加工布に新型コロナ不活化効果、白衣への展開に期待-三菱ケミカルほか

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2021年01月26日 AM11:45

安全性高く抗ウイルス効果もある「マルカサイド」、新型コロナへの効果は?

三菱ケミカル株式会社は1月20日、大阪化成株式会社が製造・販売を行う「マルカサイド(R)AV」で抗ウイルス加工を施した生地(以下、対象布)に対する、)のを用いた抗ウイルス試験を実施し、対象布がSARS-CoV-2に対して短時間(1分間または10分間)で不活化効果があることを確認したと発表した。これは、、三菱ケミカルのグループ会社である大阪化成、北里研究所が、SARS-CoV-2の不活化評価に関する共同研究として行ったもの。今回の共同研究の成果については、3社共同名義による共同特許出願手続きを完了しており、また、マルカサイドについては、大阪化成が商標権・特許権等複数の知的財産権を有している。


画像はリリースより

2021年1月17日現在、SARS-CoV-2の国内感染者数は32万人を超え、日本だけではなく、世界的規模で第3波の流行に襲われている。このような状況下、医療関係者などの感染防御対策は、医療崩壊を防ぐ上でも極めて重要であり、社会的にも喫緊の課題であることから、今回の共同研究が実施された。

マルカサイドAVは、有機系第四アンモニウム塩を主成分とする水性剤であり、主に繊維加工剤として使用されている。急性経口毒性・変異原性・皮膚刺激性・皮膚感作性の安全性が確認されているほか、各種ウイルスに対する抗ウイルス効果やグラム陽性菌群、グラム陰性菌群および真菌(カビ)などの幅広い菌種に効果を発揮する。

マルカサイド加工布、10分で新型コロナを1万分の1以下に不活化

抗ウイルス試験とその評価は、次のように行った。まず、対象布にSARS-CoV-2を培養したウイルス液(約3万個の感染性ウイルス)を染みこませ、常温で1分間または10分間放置、その後反応を停止させた。その後、対象布に含まれるウイルス液からSARS-CoV-2を洗い出し、TCID50法によりウイルス不活性効果を調べた。使用した新型コロナウイルス株は2019-nCoV JPN/TY/WK-521(国立感染症研究所)、使用した細胞はVero-E6/TMPRSS2(JCRB細胞バンク)。

結果、マルカサイドAVで抗ウイルス加工を施した不織布は、SARS-CoV-2を1分間の放置では約100分の1以下に、10分間の放置では約1万分の1以下に不活化した。同じく加工したポリエステル65%、綿35%混紡生地では、未洗濯状態で、1分間、10分間とも、SARS-CoV-2を約1万分の1以下に不活化した。10回洗濯後、効果低減が認められたが、1分間、10分間とも、約100分の1以下には不活化した。

防護服や白衣、カーテンへ展開し、医療現場への貢献を目指す

研究グループは、引き続き3者間での共同研究を進め、医療機関で使用される防護服や白衣、カーテンなどへの用途展開を図り、同研究の意義である医療関係者などの感染防御対策等、医療現場へ貢献、医療崩壊予防等に役立つよう研究を進めていくとしている。

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