福井県は、小林化工が製造販売する抗真菌剤「イトラコナゾール錠」に睡眠導入剤が混入していた問題について、3月末までに医薬品医療機器等法に基づき同社に行政処分を下す方針だ。杉本達治知事が8日の記者会見で明らかにした。
福井県は2020年12月9、21、22日に同社へ立ち入り調査を行った。現在、同社に対して、薬機法に基づき工場で実施されていた製造・品質管理に関する報告命令を行っており、今月20日までに回答するよう求めている。報告内容から薬機法の違反部分を確認し、行政処分を下す考え。
厚生労働省では立ち入り調査の結果を踏まえ、「厳しい処分になる」との見通しを示しており、過去最長となった化学及血清療法研究所の業務停止110日間に相当する行政処分が下される可能性がある。
■11品目の出荷再開
また、小林化工は7日、出荷を停止している後発品のうち、他社に製造、市場出荷判定を委託し、調査・確認を終えた11品目について出荷を再開した。出荷を再開したのは、小林化工販売製品が「オルメサルタンOD錠5、10、20、40mg『KN』」「カンデサルタンOD錠2、4、8、12mg『KN』」「パンテチン細粒20%『KN』」の9品目、日医工販売製品が「バルプロ酸ナトリウム細粒20%、40%『EMEC』」の2品目の計11品目となる。
同社は、製造販売する全製品を対象とした調査を実施しており、出荷を停止中。日本製薬団体連合会は緊急時に医薬品の供給調整を行える「医療用医薬品供給調整スキーム」を発動し、供給調整の対象となる品目について今月末をメドに代替品の供給を目指している。