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テゼペルマブ、重症ぜんそくP3試験で主要評価項目未達-英AZほか

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2021年01月05日 PM12:15

ICS/LABA継続治療に、慢性的なOCS維持療法を必要とする成人重症ぜんそく対象

英アストラゼネカ社と米アムジェン社は12月22日、標準治療(SoC)への追加で経口ステロイド剤(OCS)による維持療法を必要とする重症ぜんそく患者を対象とした新薬候補tezepelumabについて、有効性および安全性を評価した第3相SOURCE試験の概要結果を発表した。同試験の詳細結果は、医学系の学術集会で発表される予定。

SOURCE試験は、第3相多施設共同無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照試験。吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)による継続治療に、慢性的なOCS維持療法を必要とする150例の成人重症ぜんそく患者を対象とする48週間の試験だ。同試験において、他のぜんそくコントロール薬の有無を問わず、現在処方されているICSおよびLABAの維持療法を継続した状態で、追加療法として4週間に1回tezepelumab 210mg投与群またはプラセボ投与群に無作為で割り付けられた。

主要評価項目は、ぜんそくコントロールを失うことない状況下での、処方されたOCSの1日維持用量のベースライン時から48週時点での減少率。副次的評価項目には、肺機能、ぜんそくコントロール、生活の質、業務生産性および活動における機能障害等の指標を含む年間ぜんそく増悪率(AAER)に対するtezepelumabの効果が含まれた。

同試験の結果、プラセボに対しtezepelumabは主要評価項目を達成できなかった。その他の有効性指標においては、承認申請を目的とする第3相NAVIGATOR試験を含むこれまでの試験で認められたtezepelumabの効果と同様の効果が認められたとしている。なお、同試験におけるtezepelumabの安全性プロファイルは、過去の試験と一貫していた。

TSLP作用阻害でぜんそくコントロール改善の可能性

tezepelumabは、ぜんそくを引き起こす様々なタイプの炎症全体において主要な役割を果たす上皮細胞サイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害する画期的医薬品(ファースト・イン・クラス)の候補。

TSLPは、アレルギー誘発物質、ウイルスおよび他の浮遊微小粒子を含むぜんそく増悪を引き起こす複数の誘発物質に反応して放出される。TSLPの発現は、ぜんそく患者の気道中で増加し、ぜんそくの重症度と相関している。TSLP阻害により免疫細胞からの炎症性サイトカインの放出が抑制される可能性があり、その結果、ぜんそく増悪が予防され、ぜんそくコントロールが改善されると考えられている。

Tezepelumabは、炎症のカスケードの上流に対して作用するので、炎症のタイプに関わらず、広範な重症ぜんそく患者を治療できる可能性を有している。なお、同剤は日本において未承認。

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