薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は21日、富士フイルム富山化学の抗インフルエンザウイルス剤「アビガン錠200mg」について、新型コロナウイルス感染症を効能・効果に追加する一部変更承認を審議したが、現段階では承認を認めず、継続審議することを決めた。得られた臨床試験データからは有効性を明確に判断することが困難として、企業からの追加データ提出後に改めて医薬品医療機器総合機構(PMDA)で審査し、再審議を行う予定だ。追加データの提出時期は不明としており、承認時期は大きくずれ込みそうだ。
新型・再興型インフルエンザ治療剤として承認されている同剤をめぐっては、ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することで増殖を防ぐ作用機序を持ち、同種のRNAウイルスを持つ新型コロナウイルスに対しても効果が期待されていた。