小林化工は、経口抗真菌剤「イトラコナゾール錠」に睡眠導入剤が混入していた問題で、自社生産している全品目の製造・出荷を一時的に停止した。
同社は、イトラコナゾール錠50mgの一部ロットでクラスIの自主回収を開始後、承認書にない製造工程が判明したため全ロットでクラスIIの自主回収を実施。他の薬剤にも問題がないか調査を進めていた。
福井県は9日に同社に立ち入り調査を行い、作業記録や製造現場を確認。県からの指摘事項に対して小林化工が対応している段階だという。県の医薬食品・衛生課は、「調査内容や今後のスケジュールについて詳細なコメントはできない。しかるべき段階で結果を公表する機会を考えている」とした。
15日0時までに報告された健康被害は154件で、13日に12件、14日に8件とこの2日間で20件が新たに追加された。自動車事故は13日に4人が報告され累計で19人に増加し、退院を含む救急搬送・入院は33人となっている。
今回の問題を受け、厚生労働省は11日付で、日本製薬団体連合会に対して医薬品の適切な製造管理を徹底するよう求める通知を発出した。
通知では「製造業者における基本的な製造管理のミスやチェック体制の不備から生じたものであり、わが国の医薬品の品質と安全性に対する信頼を揺るがせる事態」と指摘。
その上で、問題の再発防止と医薬品の適切な品質と安全性を確保するための対策を促した。製造業者に対しては、製造管理に関する定期的な自己点検や職員の教育訓練、適切な製造管理体制の確保、製造販売業者には製造業者の管理監督を徹底し、製造業者との緊密な連携を図るよう求めた。