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【総務省19年度調査】医薬品産業の研究費5%減-科技研究費は過去最高更新

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2020年12月18日 AM11:00

総務省統計局は、2020年の科学技術研究調査結果を公表した。19年度の企業や大学の科学技術研究費の総額は、前年度比0.3%増の19兆5757億円と3年連続で増加し、過去最高を更新した。産業別では「医薬品製造業」が1兆3392億円と前年度から4.7%減少し、3年ぶりに1兆3000億円台の水準となった。ただ、自動車や航空機、船舶などを製造する「」の3兆1791億円に続き、2番目に企業研究費が多い産業に変動はなく、全産業の9.4%を占めていた。

国内総生産(GDP)に対する研究費の比率は、前年度比0.01ポイント減の3.50%と3年ぶりに低下した。研究費の内訳を見ると、企業が14兆2121億円で研究費全体に占める割合は72.6%と最も大きい傾向は変わらなかった。大学等は3兆7202億円で19.0%、非営利団体・公的機関は1兆6435億円で8.4%を占めた。前年度比で企業が0.1%のわずかな減少に転じたのに対し、大学等が1.1%増、非営利団体・公的機関が1.7%増と引き続き増加した。

企業の研究費を産業別に見ると、医薬品製造業が1兆3392億円で前年度比4.7%の減少となったものの、研究費の多さは輸送用機械器具製造業に次ぐ2番目を維持した。

売上高に対する研究費比率を見ると、医薬品製造業が10.08%と全製造業の中で最も高い傾向は変わらなかったものの、前年度に比べ0.97ポイント低下した。

全製造業の売上高に対する研究費比率は3.41%と、0.02ポイントのわずかな増加となった。医薬品製造業では、研究費比率が低下傾向にあるが、引き続き売上の1割を新薬の研究開発に投資している状況がうかがえる。

企業の自然科学に使った研究費を性格別に見ると、開発研究費が10兆8236億円、応用研究費が2兆2728億円、基礎研究費が1兆0731億円となった。前年度に比べて基礎研究費は3.5%の減少、応用研究費も3.0%の減少に転じたが、開発研究費は0.8%の増加となった。

製造業全体の基礎研究費は9817億円(構成比8.0%)となっている。その中で、医薬品製造業は2660億円(19.9%)と、引き続き自然科学研究費の2割近くを創薬などの基礎研究に投入していた。医薬品製造業の基礎研究費の割合は前年度から1.7ポイント上昇しており、基礎研究への投資が農林水産業に次ぐ高い水準にあった。

今年3月31日現在の研究者数を産業大分類別に見ると、製造業が44万2300人で全体の87.2%を占めた。医薬品製造業の研究者は2万0400人と前年度に比べて1400人(6.5%)減り、2年連続の減少となった。

全産業の研究者1人当たりの研究費は2801万円と、前年度比で0.7%減少。産業別研究者1人当たりの研究費は、医薬品製造業が6559万円と最も多くなり、前年度に比べて1.9%の増加に転じた。

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