ライフデータイニシアティブ(LDI)、NTTデータ、ファイザーは14日、電子カルテ情報を含む医療ビッグデータを解析し、癌患者の臨床アウトカムを評価する方法論の研究を3者で進めると発表した。次世代医療基盤法に基づく匿名加工医療情報提供に向けた契約を3者間で締結し、研究成果を個別化医療の進展や医薬品の早期開発などにつなげる。
共同研究では、医師の診療録などテキストデータが多く含まれる電子カルテの情報を、臨床アウトカムの評価に資するデータとしての取得方法を検討する。その上で、電子カルテ情報から、治療の効果や安全性に関する臨床アウトカムを生成する方法やアルゴリズムの開発に取り組む。さらに解析の実施に必要な情報を、全国の施設情報が含まれたデータベースから取得できるか確認する。
LDIとNTTデータは昨年、それぞれ認定匿名加工医療情報作成事業者、認定医療情報等取扱受託事業者として国から認定を取得。電子カルテ情報を含む医療ビッグデータの構築と、匿名加工した医療ビッグデータの研究利用を推進している。
医療ビッグデータとしてレセプトデータやDPC調査データは以前から利用されていたが、得られる情報には限界があった。診療録などを含む電子カルテデータを利用することで、治療の効果や安全性まで解析できると期待されている。
ただ、電子カルテに定型的な記載方法はなく、医療従事者によって異なる表現で記載されており、利用には新しいアルゴリズムの開発などの方法論の構築が必要とされていた。今回、その解決に向けた研究に3者で取り組むことになった。