厚生労働省医政局の林俊宏経済課長は、後発品メーカーの小林化工が製造販売する経口抗真菌剤「イトラコナゾール錠」に睡眠導入剤のリルマザホン塩酸塩水和物が混入していた問題について、「企業の不適切な医薬品の製造や品質管理で回収事例が相次いでおり、厚労省としても大変問題であると考えている」とコメントした。中央社会保険医療協議会薬価専門部会での有澤賢二委員(日本薬剤師会常務理事)への答弁。
林氏は、今回の事態について「先発品、後発品問わず、自主回収の問題が生じており、(今回の事案は)とりわけ後発品の定着ということにおいて課題になってくる問題」との認識を示した。
その上で、今年発足した「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」の提言のもと、企業による自主点検を求めていくと共に、「企業の製造・品質管理、供給体制に対する意識の向上と品質確保や安定確保にも努めていきたい」と述べた。
小林化工は4日、睡眠導入剤の混入が認められた「イトラコナゾール錠50『MEEK』」の一部ロットについて、クラスIの自主回収を開始している。同社は「製造ラインにイトラコナゾールの原薬を入れるべきところ、リルマザホンを取り違えて入れてしまった」と作業中の人為的なミスを認めた。
さらに7日、50mg製剤の他のロットや100mg、200mg製剤でも承認書にない工程で製造を行っている事実が発覚。クラスIIの自主回収も発表した。