日本製薬工業協会薬事委員会が会員企業59社を対象に実施したアンケート調査で、日本で希少疾病用医薬品の指定を得られなかったために効能追加を断念したり、開発を中止した事例が存在することが明らかになった。日本では、既存薬に比べて著しく高い有効性や安全性を示すデータが相談時点で存在しないとして、指定されないケースが多かった。一方、欧米では第I相試験や第II相試験のデータに基づき、幅広く早期に指定を得られる傾向が認められた。同委員会は、欧米並みの指定基準になるよう規制当局に求めている。
5日に福岡市で開かれた日本臨床薬理学会学術総会で、製薬協薬事委員会の柏谷祐司氏(武田薬品日本開発センター薬事部)が調査結果を発表した。調査は今年9月に実施。薬事委員会に加盟する59社中58社から回答を得た。