厚生労働省は11月30日、2018年度「国民医療費の概況」を公表した。医療機関などで保険診療の対象となる治療にかかった費用の総額は43兆3949億円となり、前年度から3239億円(0.8%)増加した。診療報酬改定や人口減少の影響で前年度の伸びよりも低くなったが、厚労省は「改定の影響を除けば、例年と同様の傾向にある」との見方を示した。
国民医療費の総額を年齢階級別に見ると、0~14歳は2兆5300億円、15~44歳は5兆2403億円、45~64歳は9兆3417億円、65歳以上は26兆2828億円と、65歳以上の医療費が全体の60.6%と約6割を占める傾向に変化はなかった。
診療種類別では、薬局調剤医療費は前年度比3.1%減の7兆5687億円だった。医科診療の医療費が31兆3251億円(1.6%増)、このうち、入院医療費は16兆5535億円(2.1%増)、入院外医療費は14兆7716億円(1.0%増)だった。
1人当たりの国民医療費を年齢階級別に見ると、65歳未満は18万8300円(0.7%増)、65歳以上は73万8700円(0.1%増)だった。そのうち薬局調剤医療費は、それぞれ3万5100円(1.4%減)、12万3200円(4.9%減)で、医科診療の医療費は12万8100円(1.2%増)と55万3300円(1.1%増)だった。