日本エイズ学会学術集会がウェブ上で開催され、薬局薬剤師の取り組みをテーマにしたシンポジウムでは、抗HIV薬の進化で可能になったHIV感染患者の長期療養をいかに支えるかについて意見が交わされた。患者の高齢化に伴って、嚥下障害が生じると抗HIV薬の大きな錠剤を服用しづらくなったり、他疾患の治療薬が増えると気づかないまま併用禁忌薬を服用する可能性がある。演者の薬局薬剤師は、これらの状況をしっかり把握し、対処するよう呼びかけたほか、今後進むと見られる在宅医療でも役割を発揮するよう求めた。
抗HIV薬の進化によって、HIV感染症はコントロール可能な慢性疾患になった。長期間の療養が実現したことで、高齢化に伴う嚥下障害や併存疾患との薬物治療に注意を払う必要性が高まっている。