11か国45歳以上のCOPD患者1,375人対象グローバル患者調査
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は11月18日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象に実施したグローバル患者調査における日本人(対象患者数100人)の解析を行い、COPDの患者、特に45~54歳の患者は、COPDの症状のために大きな身体的・精神的影響を感じていることがわかったと発表した。今回の日本人の解析結果は、グローバル患者調査の結果と同様であり、COPD患者が抱えている課題は世界共通であることを示している、としている。なお、同調査結果は「COPD:Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease」に掲載された。
グローバル患者調査は、11か国で45歳以上のCOPD患者1,375人を対象にオンラインで実施。調査結果から、45~54歳の若いCOPD患者は、65歳以上の高齢の患者と比較すると、COPDが日常生活に大きな影響を及ぼしていると回答する頻度が相対的に高く、COPDの症状のために頻繁に日常生活における活動の変更を余儀なくされていることがわかったという。これらの結果は、特に45~54歳の若いCOPD患者におけるQOL(生活の質)と治療の啓発に関するアンメットニーズが大きいことを示している。
調査には、中国、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ポーランド、スペイン、英国、米国の11か国が参加。患者は年齢に応じて層別化された(45~54歳、55~64歳、65歳以上)。調査目的は、COPDが患者の生活に及ぼす影響の評価だった。
45~54歳の患者では、病気をより否定的な感情で捉えている傾向
今回発表された日本人解析おいて、45~54歳の若い患者では、65歳以上の高齢患者と比較して、症状のために日常生活における活動を変更しなければならないと感じる人が多いことが判明。
具体的には、息切れや咳がある時間帯に予定を入れなければならない(若い患者33% vs 高齢患者7%)、活動するときは、休憩を取るか、ペースを調節しなければならない(若い患者33% vs 高齢患者23%)、息切れや咳の症状が現れたら、活動を中止しなければならない(若い患者42% vs 高齢患者8%)といった必要性を感じていることが明らかになった。
自分のCOPDをどう感じているかについては、日本人全体で、不安(63%)、イライラ(47%)、ストレス(42%)、不確実(35%)、悲しい(21%)など、否定的な感情が多く報告された。45~54歳の若い患者では、65歳以上の高齢患者と比較して、無力感を感じる人の割合が3倍以上高くなったという(若い患者17% vs 高齢患者5%)。
医療従事者のサポートの必要度合いは45~54歳の若い患者で高く、吸入器を適切に使用して症状の管理を行うための情報を求めている人の割合が、65歳以上の高齢患者よりも約3倍高くなったとしている(詳細な情報を必要としない人の割合は、若い患者17% vs 高齢患者49%)。
▼関連リンク
・日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース