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デュピクセント、コントロール不良中等~重症ぜんそく小児対象P3試験で重度発作を有意に低減-仏サノフィ

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2020年10月23日 PM12:15

標準治療を受けても、重度のぜんそく発作などの危険性

仏サノフィ社は10月13日、(製品名:(R))について、コントロール不良の中等症から重症のぜんそくを有する6~11歳の小児対象のピボタル第3相臨床試験LIBERTY ASTHMA VOYAGEで、主要評価項目と全ての主な副次評価項目が達成されたと発表した。

コントロール不良の中等症から重症のぜんそくをもつ小児は、ステロイド吸入薬(ICS)などの標準治療を受けていても、咳嗽、喘鳴や呼吸困難などの症状が現れ、重度のぜんそく発作が現れる危険性がある。このような場合、入院や救急来院を頻繁に繰り返し、経口ステロイド薬が必要となる場合もあるが、経口ステロイド薬は長期間用いると大きなリスクをもたらす可能性がある。また、コントロール不良のぜんそくにより学校を欠席したり、体を動かす活動が制限されたり、階段をのぼったりスポーツを楽しんだりと日常活動が制限されることもある。

コントロール不良の中等症から重症のぜんそくをもつ6~11歳の小児患者が約7万5,000人と推定されている米国において、デュピクセントは、外用薬では十分なコントロールが行えない、または外用療法が推奨されない、6歳以上の中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者に対する治療薬として承認されているほか、既存のぜんそく治療薬ではコントロール不良の、中等症から重症の好酸球性または経口ステロイド薬依存性のぜんそくを有する成人および12歳以上の思春期患者に対する追加維持療法として、またコントロール不十分な鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に対する追加維持療法としても承認されている。米国以外の各国(EU、日本など)でも、中等症から重症のアトピー性皮膚炎やぜんそくの治療薬として承認されている。EUと日本では、重症の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の治療薬としても承認されている。

コントロール不良の中等~重症ぜんそく小児6歳以上12歳未満408人が参加

LIBERTY ASTHMA VOYAGEは、第3相無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、標準的な維持療法である中用量の吸入ステロイド薬と長期管理薬1剤の併用、高用量の吸入ステロイド薬のみ、または高用量の吸入ステロイド薬と長期管理薬1剤の併用を受けている小児患者におけるデュピクセントの有効性と安全性を評価した。

試験には、コントロール不良の中等症から重症のぜんそくを有する6歳以上12歳未満の小児408人が参加した。主要解析は、ベースライン時の好酸球数が300個/μL以上であった259人と、Type2炎症マーカーの上昇(ベースライン時の好酸球数が150個/μL以上か、呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)が20ppm以上)がみられた350人について実施。試験参加基準にはマーカー値の下限を設けなかった。

52週間の試験期間中、小児患者は体重に基づきデュピクセント100mgまたは200mg(体重30kg以下は100mg、30kg超は200mg)、またはプラセボの隔週投与を受けた。なお、日本の施設は同試験に参加していない。

1年間の重度ぜんそく発作発現率、最大で65%低下

同試験の主要評価項目として、あらかじめ規定した好酸球数が300個/μL以上の小児患者集団、およびType2炎症のマーカー値の高い小児患者集団(FeNO:20ppb以上、または好酸球数150個/μL以上)の小児患者集団における重度ぜんそく発作の年間発現率(1年あたりのぜんそく発作回数)を評価。標準治療にデュピクセント(体重に基づき100mgまたは200mgを隔週投与)を追加投与した上記の2集団において、デュピクセント群は、プラセボ群に比べ、重度ぜんそく発作の平均発現率がそれぞれ65%(p<0.0001)および59%(p<0.001)低下した(1年あたりの発作回数は、デュピクセント群0.24および0.31回/年、プラセボ群0.67および0.75回/年)。

また、肺機能評価として、第12週時点の予測1秒量に対する比率(FEV1pp)をベースラインと比較したところ、デュピクセント群は10.15および10.53ポイント、プラセボ群は4.83および5.32ポイントそれぞれ改善(デュピクセント群とプラセボ群の差の最小二乗平均値はそれぞれ5.3および5.2ポイント、p=0.0036およびp=0.0009)。FEV1ppは、小児ぜんそくにおける臨床試験で広く用いられている評価項目で、成長段階にある小児の肺活量の発達状況を考慮するために、年齢、身長や性別などの様々な要因に基づき算出された予測値と比較することにより、小児患者の肺機能の変化を評価する。肺機能の臨床的に意義のある改善は、治療開始から2週後から現れ、最長52週間にわたり持続した。

同試験の安全性に関する所見は、中等症から重症のぜんそくを有する12歳以上の患者における同剤の安全性プロファイルと概ね一致した。1年間の有害事象発現率はデュピクセントで83%、プラセボ群で80%。デュピクセント投与例で発現頻度の高かった有害事象は、注射部位反応(デュピクセント群18%、プラセボ群13%)、ウイルス性上気道感染(デュピクセント群12%、プラセボ群10%)、好酸球増加症(デュピクセント群6%、プラセボ群1%)だった。

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