医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > プレミアム > 【日病薬調査】病薬研修会、約7割で再開-ウェブ環境整備に支援要望

【日病薬調査】病薬研修会、約7割で再開-ウェブ環境整備に支援要望

読了時間:約 1分53秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年10月21日 AM10:30


■日病薬調査

新型コロナウイルス感染症の影響で休止中だった日本病院薬剤師会の研修会が徐々に再開している状況が、「都道府県病院薬剤師会の活動状況報告」で明らかになった。約7割の都道府県で研修会を再開しており、今後再開予定を含めると9割以上に上った。都市部ではウェブと集合型研修のハイブリッド形式で実施される一方、感染者数の少ない地方では集合型研修が行われている実態にあり、研修単位シールの配布などを含め、ウェブ研修の環境整備が今後の課題となりそうだ。

17日にウェブ上で開催された地方連絡協議会で報告された「都道府県病院薬剤師会の活動状況報告」によると、全都道府県が研修会の開催で新型コロナウイルス感染症による影響があったと回答した。新型コロナウイルス感染症の第1波の時期に、ほぼ全ての研修会が中止となったものの、緊急事態宣言が解除された6月以降に徐々に再開されており、現在は「全面的に再開」が12.8%、「一部再開」が29%、「今後再開の予定」が21.3%、「休止中」は4.3%となった。

研修会の開催方法については、「集合型研修」が25.3%、「ウェブ研修」が42.7%、「集合とウェブのハイブリッド研修」が32.0%と均衡していた。感染者数が多く、ウェブ環境が整備されている都市部では、集合とウェブのハイブリッド研修が多く実施されていた一方、感染者数が少ない地方では集合型研修が多く行われており、地域の感染者数やウェブ環境の整備状況に応じて実施されていることが分かった。

地方で集合型研修が行われている背景にはウェブ環境が整っていないことも理由の一つにあり、約8割の都道府県がインターネット環境整備を目的とした日病薬の支援を希望していた。

各都道府県からは「ウェブ開催は機材確保や参加費徴収、単位交付にかかる人的負担が大きい」(青森県)、「事務局業務が煩雑化しており、中央での研修システムのシステム化を早期に実現してほしい」(宮城県)、「全国版セミナーの機会を増やしてほしい」(奈良県)、「参加者の確認、参加時間の把握、研修シールの配布など、これまでの研修会に比べ何倍もの時間と人手を要しなければ、開催ができない」(長崎県)と病院薬剤師が自己研鑽する機会の減少を懸念する声のほか、県病薬からウェブ研修会参加者への研修シール配布に苦慮している現状が浮き彫りになった。

こうした課題に対し、他都道府県からの研修受け入れを行う県病薬も出ている。石川県病院薬剤師会では北陸3県の県病薬間でそれぞれが主催する研修会について、各県が実施する研修会に参加できるようにすると共に、研修シールの管理や郵送の事務作業を各県病薬事務局で分担するなどの連携、協力を行っていることが報告された。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 プレミアム 行政・経営

  • 【PMDA】コロナ薬投与で注意喚起-妊娠可能性ある女性に
  • 【薬価部会】不採算品再算定、対象絞り込みを-25年度中間年改定
  • 【厚労省調査】敷地内薬局、専門連携の1割-処方箋集中率は93.1%
  • 【臨試協調査】外資が日本を第I相拠点に-国内実施のメリット認識か
  • 【NPhA】半数以上が後発品を選択-長期品選定療養に一定効果