田村憲久厚生労働相は14日に専門紙と共同会見し、2021年8月に開始予定の地域連携薬局について、「国民に分かりやすく内容を周知する必要がある」と述べ、在宅医療などに一元的・継続的に対応できる薬局機能の啓発に意欲を示した。また、来年度薬価改定の実施見通しに関しては、薬価調査の結果を精査した上で議論する考えを示した。
改正医薬品医療機器等法の一部内容が9月に施行され、薬剤師による継続的な服薬指導が義務化された。田村氏は「薬剤師の専門職種としての役割が広がることを明確化したので、オンライン服薬指導の成果も含め、施行後の状況を注視する必要がある」との考えを示した。
2021年8月から地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の認定制度がスタートする予定で、今月には省令案を示した。地域連携薬局について、田村氏は「国民に分かりやすく説明する必要がある」とする一方、専門医療機関連携薬局に関しては、患者のための薬局ビジョンで高度な薬学的管理のニーズへの対応が必要と記載していることを踏まえ、「高度な専門的知識のもとで患者が安心して服薬できるので、非常に期待している」と述べた。
製薬団体などを中心に反対意見が出ている2021年度薬価改定の実施については、「薬価調査で出てきた価格に大きなバラツキがあると、実勢価に対する信頼性が問題視される。正しい価格になっているか精査した上で、改定に向けて議論したい」とした。
政府はオンライン診療の恒久化を目玉施策の一つに挙げており、「初診を含めて原則解禁」することを関係閣僚間で合意している。田村氏は、解禁後の同制度の内容について「現在の仕組みを壊すのではなく、利便性がなく、しっかりと診断できない部分を専門家から聞く」と述べた。検討スケジュールは、「なるべく早く行い、安心して受診できる環境を作りたい」と述べるにとどめた。